もしも大きな作業事故が起こって、従業員がケガや病気になったとしたら、
次のように思っていませんか?
・元請が補償してくれるから安心
・政府労災保険があるから大丈夫
事故にあった従業員本人とその家族の生活、他の従業員や経営者への影響まで含め、本当にそれで問題ないかを見ていきましょう。
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1. 元請が補償してくれるから安心?
労働基準法第87条(請負事業に関する例外)により、
・土木工事・建築工事(注1)については災害補償の責任は元請負人(元請)にあります。
・ただし、元請人が書面で下請負人(下請)に補償を引き受けさせれば、その下請負人も使用者とみなされます。
(注1)労働基準法施行規則第48条の2 法別表第1第3号に掲げる事業
自社が元請となっているときにはもちろんですが、
(1)土木工事・建築工事以外のとき、(2)自社が補償引き受けしているときには、
自社が下請けであっても従業員への災害補償責任があります。
2.政府労災保険があるから大丈夫?
労働基準法は使用者の労働災害補償責任を次のとおり定めています。
療養補償(第75条)、休業補償(第76条)、障害補償(第77条)、遺族補償(第79条)、葬祭料(第80条)
政府労災保険は労働基準法のこれらの条文と対応した給付金の定めがあり、一定の範囲でこれをカバーしています。
3.逸失利益・慰謝料の賠償負担は大きい
しかし、使用者には、労働基準法以外にも労働者への安全配慮義務(労働契約法第5条)、法令遵守義務(労働安全衛生法など)などの義務があります。
従業員の死亡・後遺障害時の逸失利益・慰謝料はこれらの義務違反によるものとして損害賠償を求められますが、政府労災保険は一部(遺族補償年金前払い一時金など)を除きこれらをカバーしていません。
特に逸失利益(事故がなければその人が得られたはずの生涯収入額)に慰謝料を加えた請求額は近年高額化しており、1億円を超える判決額・和解額の大半を使用者が負担する場合も出てきています。
労災事故の被害にあった方が十分な賠償を受けられず、会社の存続も難しくなり他の従業員や経営者の生活もたちゆかなくなる、ということがあってはなりません。
4.事前対策の重要性
労災事故が関係者すべてに大きな負担・影響を及ぼさないようにするためには、労災事故を予防し万一発生した時にも影響を小さくするリスクマネジメント、損害賠償に備えた保険など事前の十分な対策が必要です。
業種・事業規模などに応じたリスクマネジメント、保険の加入については、ぜひ有限会社合同保険事務所までご相談ください。



